徒然なるまま

日記というか、雑記帳というか、そんな感じで色々書く

アニメと雑学 第7回:ウマ娘とリアル競走馬「日本総大将・スペシャルウィーク」

さて、今週はウマ娘1期ヒロインの「スペシャルウィーク」について。

ウマ娘、キャラクターのデザインもかなりモデルの競走馬に近づけようとしている拘りがわかる馬だと思っている。

スペシャルウィークは右後脚だけが白い毛色だったのだがウマ娘としてのスペシャルウィークはシューズの色を左右色違いにすることで表現している。

また、出自に関しても史実をなぞっていて、母馬はスペシャルウィークの出産の5日後に死亡。その後は人の手をかけて育てられた馬であり、アニメだと育ての親であるお母ちゃんが金髪のキャラクターにされているのも、当時育成担当だったオーストラリア人女性から来ていると推測されている。

因みに血統をたどると母父にマルゼンスキーがいるが、マルゼンスキーウマ娘の中でもモデルの競走馬が活躍した時代が1970年代後半と飛び抜けて古い。

スペシャルウィークの有名な勝ちレースと言えば、1998年日本優駿(日本ダービー)、1999年の天皇賞春秋連覇、ジャパンCだろう。テイエムオペラオーに更新されるまでは当時の日本最高賞金獲得場だった。

1998年日本ダービー、前レースの皐月賞では3着に破れ体重を10kg落として望んだが騎手である武豊にはとあるジンクスがあった。デビューから12年ダービーを除く八大競走全てで優勝をしていたが、9度の挑戦をしている日本ダービーだけが優勝できていなかった。そのため、「武豊はダービーだけは勝てない」と言うジンクスが出来上がってしまっていた。ところが蓋を開けてみれば、2着に5馬身もの差をつけての勝利。鞍上の武豊に初の日本ダービー優勝をプレゼントしたのだった。

そして翌年1999年シーズンは初戦から天皇賞・春まで3連勝と上々の仕上がりを見せるも、宝塚記念ではグラスワンダーに破れ3着その後の京都大賞典でも掲示板外の7着であった。

そして迎えた1999年10月31日天皇賞・秋。体重を日本ダービー時の体重まで絞って出走。鞍上の武豊は前年にかの有名な沈黙の日曜日を体験した翌年であり、スペシャルウィークは終わったと馬券は4番人気。しかし結果は見事に1着を勝ち取り、タマモクロスに続いて史上2頭目の同年天皇賞春秋連覇を成し遂げた。

続く、ジャパンカップセイウンスカイグラスワンダーエルコンドルパサーが出走回避をする中、『日本総大将』として前年にエルコンドルパサー凱旋門賞で破っているモンジュー(アニメ版ではブロワイエ)を含む外国馬7頭との戦いに挑むこととなる。
2番人気、武豊を騎手に迎えたジャパンカップ、4コーナーで外から捲っていくとその後をモンジューが追走、直線で先頭に立つとそのまま押し切り見事勝利。引退後は種牡馬として多くの一流馬を輩出している。

極めて美しい馬で、京都大賞典の7着以外すべて3着以内という安定感のある強さ、さらに鞍上の武豊騎手にダービーとジャパンカップをプレゼントするなど王道を歩んだアイドル馬であり、特に現在の体型になった天皇賞を同一年に春秋連覇した馬は2019年時点で5頭のみ、当時でもタマモクロスに次ぐ2頭目と名馬にふさわしい成績を残している。また「隠れ万馬券製造馬」などと呼ばれ、4勝したGⅠの内ダービー、天皇賞・秋ジャパンカップ万馬券を飛び出させるなど、ただ強いだけではない面白みがあった。

愛すべき名馬「日本総大将・スペシャルウィーク」はアニメ放映中の2018年4月27日に死去、享年23歳であった。